あーさーの備忘録

ゆっくり自由に生きてます

「シン・ゴジラ」と舞台芸術に対する僕のスタンス

シン・ゴジラ

ご無沙汰しております、あーさーです。今日はこのブログ初めての技術系じゃないお話をします。

いきなりですが、「シン・ゴジラ」という映画をご覧になったことがありますか。この前の日曜に地上波初放映していたので、そのときに見たという人も多いと思います。まだ見ていない人はすぐにこのタブを閉じて、Amazonで円盤をポチってください。(以後、ネタバレの要素を含みます)

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演劇は問題提起の場

話は変わりますが、今回は僕の演劇に対する基本姿勢について書きます。僕は高校2年間を演劇同好会(今はもうなくなってしまったようですが)に所属して過ごしました。それまで、ラジオやテレビなどのメディアに出演したことはありますが、役者、舞台の経験は皆無でした。その当時、リーフレットに載せるためか、「演劇とは何か。」という質問をされたことがあります。それに対しての僕は、「演劇とは問いである」と答えました。

みなさんは舞台芸術を見て何を思いますか。ストーリーにただただ感動しますか。メッセージ性を感じますか。そもそも、舞台芸術というものはステージ上で完結しているものなのでしょうか。

演劇を見て、「やっぱり友情は大切だなぁ」とか「戦争はよくない」とか思うことは多いでしょう。でも、僕には、そんな単純なメッセージを伝えるためだけにその舞台があるとは思えないのです。物事にはそう簡単に白黒がつけられない、だからこれを見て観客も考えてみてほしい。そして、その観客の思考を含めた総合芸術が演劇であると考えます。

今、演劇という言葉を使っていますが、これは文学にも映画にも、あらゆる物語にも当てはまると思います。

シン・ゴジラ」に何を思うか

具体的に、「シン・ゴジラ」で考えてみましょう。第3形態(通称:品川くん)の際に自衛隊が攻撃しようとするも、逃げ遅れた民間人が近くにいたため、首相の判断で攻撃を取りやめたというストーリーがあります。この時、あなたは何を思いましたか。

  • このときに躊躇わず攻撃していれば、後の災難は起こらなかった
  • 人命第一のこの決断は正しい
  • これは首相が判断することではない

いろいろな意見があると思います。しかし、これらのどれが正義なのかということは、作品中では触れられていません。確かに事実はあり結果はあれど、何が正しいのか、そう簡単に決めることができる問題ではないのです。

他にも、役人は無能だとか、日本社会は形式に囚われすぎているとか、核開発や遺伝子研究はよくないとか、アメリカの言いなりになってはいけないとか、この作品を見ていろんなことを思うでしょう。でも、それは「シン・ゴジラ」という作品が観客に届けたかったメッセージではないと思うのです。これはあくまで結果でしかないのです。

でも、「考える」ことって、とても楽しくないですか?

そして、自分が考えたことを他の人と議論できたら、より意見が深まって、楽しくないですか?

そう、これが「シン・ゴジラ」が提供する副次的なエンターテインメントです。ストーリーを見て楽しい、面白いことを言っているから楽しい、それは映画を見ているその時に感じる面白さ。もちろんそれがメインなのですが、提起された問題について考えてみる、それは映画館の外でもできます。映画の上映時間以上に楽しめるというわけです。

ハッピーエンドも悪くないけど

これは個人的な価値観なのですが、僕は物語におけるハッピーエンドはあまり好きではありません。かといって、バッドエンドが好きなのかと言われるとそうでもありませんが。終演後にどれだけ観客の脳裏に余韻を残せるか、ということがポイントだと思います。一般的なハッピーエンドだと、「2人は幸せなキスをして終了」といったように、はいはいよかったね、ということで終わってしまうんですよね。見ててスッキリはしますが。

シン・ゴジラ」の最後はどうだったでしょうか。僕は初見では気づかなかったのですが、ゴジラの尻尾から何か子供のようなものが生まれるというシーンを最後に映画が終わります。この後の日本に何が起こるのか、わくわくしますよね。

こういう遊びが用意されている演劇を見に行くと、僕は劇場から家に帰るときにずっと考えてしまいます。同じチケット代を払うのであれば他人より楽しみたいものですね。

舞台を作る人間として

少し話が逸れてしまいましたが、裏を返せば、演劇をやっている私はこういったことも考えて本を書いたり、演出したりしないといけないわけですね。偉そうに書いてますけど僕にはまだ無理でした。ちゃんと勉強すべきなんでしょうけど、する場もないのでひたすら小説読んでます。文系の授業でこういう感じのあればいいですけどね。

ここまで長々と語ってきましたが、僕が考えていることが真理だとはこれっぽっちも思っていません。僕がこう考えているというだけです。これもまた、そう簡単に白黒つけられる問題でもないでしょうから。

世界はそんなに単純にできていない

なにか伝えたい事があって、それを芸術に昇華させる、という人も多いと思います。でも、僕には伝えたい事が思いつきません。一般的にものを言うことって、凡人にはとてもむずかしいことです。周りを見回すと、様々な問題があります。あるものが部分的に悪いから、それをすべて否定してしまおうと考える人が世の中には多すぎる気がします。その逆も然りです。もしそんなにすぐ答えが見つかるなら、世界はとっくに不満のない素晴らしい世界になっていることでしょう。考えることも大事ですが、自分とは違う視点の意見を大事にすることも忘れてはいけませんね。